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世界ジュニアフィギュアスケート選手権2013 [フィギュアスケート]

イタリアのミラノで世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会が開催され、男子の宇野昌磨
選手が187.08点で7位、日野龍樹選手が176.85点で10位、女子の宮原知子選手が147.42
点で7位、本郷理華選手が142.62点で9位という結果になりました。
また、日本はアイスダンスとペアには出場しませんでした。

男子シングルはアメリカが表彰台を独占。優勝は228.32点でジョシュア・ファリス選手、2位
は224.15点でジェイソン・ブラウン選手、そして3位は204.34点で大森勝太郎選手。
ブラウン選手は個性的な選手ですね。昨季世界ジュニアでは3A無しでしたが、今季は見事
に成功させました。ファリス選手と大森選手の演技は、正直あまり印象に残らなかったです。
宇野選手の表現力には天賦の才を感じます。現在15歳、3Aの習得が待たれます。
そして、当初出場を予定していたハン・ヤン選手がシニアの補欠に変更となり、ちょっと残念
でした。ナン・ソン選手に頑張って2枠を取ってもらい、2人で五輪に行けるといいですね。

一方、女子はロシアが表彰台を独占。優勝は169.71点でエレーナ・ラディオノワ選手、2位は
165.67点でユリア・リプニツカヤ選手、そして3位は160.32点でアンナ・ポゴリラヤ選手。
ラディオノワ選手のFSを気に入ってリピートしています。エレメンツの素晴らしさは言うに及ば
ず、14歳とは思えぬ表現力と身のこなし。ジュニア選手の演技に見惚れることは滅多にない
のですが、すっかり虜になってしまった感じです。年齢的にソチに間に合わないのが残念。
リプニツカヤ選手はSPのジャンプミスが痛かったですが、FSを手堅くまとめたのは流石です。
ポゴリラヤ選手は14歳にしては容姿も演技も大人っぽくて、シニアに上がっても違和感がな
さそう。それにしても、ロシアの若手女子の層の厚さとレベルの高さには驚かされます。

宮原選手はSP、FS合わせて10個のトリプル・ジャンプのうち9個がUR判定を取られ、FSでは
LzとFの両方でe判定を受けました。残念な結果ではありますが、ジャンプは難度だけでなく
精度や質も大事ですし、回転不足は遅かれ早かれ本人が乗り越えなければならない壁でし
ょうから、シニアに上がる前に技術を見直す機会が持てて良かったのではないかと思います。
ただ、宮原選手はもともと左利きで逆回転でジャンプを跳んでいたところ、2年かけて順回転
に矯正したとのこと。お箸や鉛筆の持ち手の矯正とは違ってスポーツですし、悪影響はない
のだろうか…とふと思いました。そういえば、コストナー選手もシズニー選手も逆回転ですね。

さて、日本にとっては将来に少々不安を残す大会となりました。
役者の揃った現在のシニアが特別と言ってしまえばそれまでなのですが、男子は羽生結弦
選手以降、女子は村上佳菜子選手以降、若手が順調に育っていないようで気になります。
また、今後はシングルだけでなく、ぜひともペアとアイスダンスの強化にも期待したいです。

2013年3月8日追記:
宮原選手のコーチでもある田村岳斗氏による「世界ジュニアの女子シングル テクニカルパネル
判定について」という記事を読みました。宮原選手のジャンプに対する判定に納得がいかない
ようですが、正直、宮原選手のジャンプは技術的な見直しが必要だと思います。
また、「グレーゾーンのジャンプは全て認定すべき」との主張のようですが、個人的に、現在の
判定方法は改善の余地大だと思います。緩いジャッジで恩恵を受ける可能性があるのはグレ
ーゾーンのジャンプを跳ぶ選手達ですから、結果として、正確な技術に対する相対的な評価が
下がることになるのではないかと危惧します。私的には、不十分な技術による高難度技(その
時点で既に幾分か実質的な難度は下がっているのでは?)にはあまり感動できません。
田村氏に対しては、習い事の発表会ではなくスポーツの競技会なのですから、「感傷的になっ
て何寝ぼけたことを言ってるの」という感じです。宮原選手にしてみれば、いい迷惑でしょうね。

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コメント 8

AnotherGreenWorld

おはようございます。観ましたよ。日本勢は散々な結果ですね。特に宮原選手は全日本の三位からみると天国から地獄でしたね。私も宮原選手のジャンプの不調は、逆回転の矯正の影響が大きいんじゃないかと思ってます。逆回転は、当然ならがルール違反じゃないのですから、選手に合わせる方向で指導するのが正しいのにね。本人の意思次第ですが元に戻すことも考えると良さそうです。指導する人材や環境が不足しているのであれば、羽生選手みたいにさっさと環境の良い海外へ行ってしまうのも良いですね。:-)
by AnotherGreenWorld (2013-03-06 08:15) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、こんにちは!
全日本は採点が甘かったですよね。宮原選手に限らず、回転不足気味ジャンプを跳ぶ選手の
得点が高めに出ているような印象を受けました。今回の判定が厳し過ぎるとの意見もあるよう
ですが、離氷時のチートもしっかりジャッジするのが競技として好ましい在り方だと思います。
今回、宮原選手は慎重になり過ぎているようにも見えましたね。普通に考えて利き手・利き足
のほうが基本性能としては優れているわけで、不自然な矯正をすると、本来の最高到達地点
まではなかなか行けないような気もします。スピン、ステップ、スケーティングもいい選手なの
で、どうにかジャンプを立て直して欲しいです。具体的な方策までは何とも言えないところがあ
りますが、仰るように、場合によっては海外に行くのも一案かもしれないですね。
by GreenGarnet (2013-03-07 08:57) 

AnotherGreenWorld

こんばんは。宮原選手のコーチが変なブログ書いてましたね。確かに可哀想ではあるけど回転不足は回転不足。自分の力量不足を反省する前にジャッジに不満を言うとは、正直驚きました。浅田選手の姉の不穏当な発言に続いてこういうのを見聞きすると、フィギュアスケート業界のレベルの低さというか頭の悪さにうんざりしましたよ。もう少し品格の感じられる世界であって欲しいものです。:-)
by AnotherGreenWorld (2013-03-08 01:31) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、
田村岳斗氏のブログの記事ですよね。あまりにも感情的で、驚くと同時に呆れました。
宮原選手のジャンプはいずれこうなることは予想できたでしょうに、コーチとしては少々のんび
りし過ぎましたね。ジャッジ批判している暇があったら、しっかり対策を考えて欲しいものです。
判定については、今回が厳しかったと言うより、むしろ今までが甘かったようにも感じます。
ところで、いっそ機械判定でも導入したらどうでしょうね。大会の度にこうも不満が出るようでは
かえって興醒めです。せめて高速度撮影でスロー・コマ送り再生くらいは必要なのでは…
「グレーゾーンのジャンプを白黒はっきりさせる」方向に向うべきところを、「グレーゾーンは全て
認定」で停滞しているようでは、果たしてスポーツとしてどうなのでしょう。。。
by GreenGarnet (2013-03-08 19:13) 

AnotherGreenWorld

そうですね。人間の目の動体視力には限界がありますから、プレロテ対策に少なくとも高速度撮影装置は必要ですよね。それも複数のアングルから。現在の技術水準からすれば容易なことです。疑問の残るような判定が続くようであれば、スポーツとして衰退して行くような気がしますよね。
by AnotherGreenWorld (2013-03-09 12:55) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、
そうですよね。今はIT技術も進歩していますから、判定においてできるだけグレーゾーンを狭くす
る努力をして欲しいですね。大会によって判定基準が違うのではないかと目を疑いたくなるような
こともあるので、ジャッジは厳正にお願いしたいものです。
また、回転不足やエッジエラーだけでなく、トゥジャンプのトゥのつき方も厳しく見て欲しいです。
個人的に、フルブレード気味のトゥジャンプは技術的な問題のみならず、概して美しさにも欠ける
と思います。
by GreenGarnet (2013-03-09 22:38) 

AnotherGreenWorld

こんにちは。宮原選手のコーチの言い訳がアップされてましたね。この方は「正しい」と「間違っていない」の区別がついてないようですね。ルールの網の目をかいくぐることを見苦しいとも思っていないようです。こんなコーチに指導される、若い宮原選手が気の毒でなりません。彼女のことを考えているのであれば、少なくともこの時期に問題提起するべきではなかったですね。彼女はさっさとコーチを変えた方が良いですね。ついでに米国あたりに移ってしまうのが良いとも思います。
さて、これを機会に浅田選手に代表されるチート気味のジャンプに厳しい方向に向かってくれることを望みます。伊藤みどり選手の時代のような、ダイナミックなスポーツとしてのフィギュアの復活を切に切に。:-)
by AnotherGreenWorld (2013-03-10 13:00) 

GreenGarnet

AnotherGreenWorldさん、
読みましたよ。確かに、ルールの網の目をくぐり、屁理屈をこねているような文章でしたね。
こういう価値観があるから、いつまでもチート気味のジャンプがなくならないのでしょうね。
本人は「選手を守るため」と言っていますが、かえって晒し者にしてしまったような気がします。
思慮の浅いコーチにつくと、選手も災難です。私には、選手のことを考えての発言ではなく、
「自分の教え方には問題が無い」とでも言いたげな自己弁護にも聞こえます。田村氏は宮原
選手のジャンプの質に問題があるとは思っていないようですので、AnotherGreenWorldさ
んの仰るように、もしかしたらコーチを変えたほうがいいのかもしれないですね。
ただ、大会によって判定基準が違うかのような現状に混乱するコーチや選手がいるのは事実
だろうと思います。結局、選手を甘やかすのは良くないということでしょうか。
by GreenGarnet (2013-03-11 00:27) 

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