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光市母子殺害事件 元少年の死刑確定 [事件・事故]

1999年に起きた山口県光市の母子殺害事件で、最高裁は20日、殺人や強姦致死
罪などに問われた当時18歳の元少年の上告を棄却し、死刑が確定しました。
裁判官の中には反対意見もあったそうですが、排水検査を装い部屋へ上がり込む
計画性、被害者には生後11ヶ月の乳児も含まれており、一方的な犯行の残虐性を
考えると、日本に死刑制度が存在する以上、至極当然の判決だろうと思います。

ところで、一審、二審では、18歳1ヶ月という年齢が考慮され、更正の可能性が認め
られ、いずれも無期懲役でした。父親のDVや中学生の時に母親を自殺で亡くすなど
の事情も考慮されたようですが、たとえ家庭環境に不遇な面があったとしても、同様
の環境下で育った人が皆罪を犯すわけではないですから、説得力に欠けます。

更生の可能性についても、私の感覚だと、量刑においては、そもそも犯した罪の重さ
が重要であって、反省の有無や更生の可能性を重視すべきではないと思います。
(同時に、過度に遺族感情に影響を受けることも避けなければならないと思います。)
また、自己の欲求を満たすために殺人まで犯す身勝手さや罪悪感の希薄さが容易
に矯正可能だとも思えないですし、現在の日本にそれほど強力な更生プログラムが
存在するとも思えません。

しかしながら一方で、本件にかかわらず、好ましくない成育環境が子供の人格形成
および精神に与える影響を考えると、判決の合理性とは別の次元で複雑な気持ちに
なります。子供自身が自分のおかれた環境に疑問を持ち、早期に助けを求め、それ
に応えることのできる社会でありたいものです。

差し戻し控訴審で死刑判決を受けた元少年の父親がコメントする映像を見たことがあ
りますが、「子供がこういうことをしたばっかりに、自分の人生も真っ逆さまで…」との
言葉に絶句してしまいました。この言葉をそのまま我が子から返されても仕方がない
という自覚が全くないようです。暴力については、「教育の一環」と表現していました。

2012年3月16日追記:
最高裁が14日付で、最高裁判決を不服とする被告の意義申し立てを退ける決定をし
たことから、死刑が正式に確定しました。

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