SSブログ

映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』(2) [映画]

映画『Sid and Nancy(シド・アンド・ナンシー)』は、シド・ヴィシャスとその恋人ナンシー・
スパンゲンの物語です。私は、シリアスな共依存のお話だと思っているのですが、一方
では、麻薬常習者を美化し過ぎだとの意見もあるようです。
それは多分、亡くなったナンシーがタクシーに乗って(天国から)シドを迎えに来るという、
まるでメルヘンのようなラスト・シーンが原因なのかなと思ったりもします。
実際は、シドは麻薬の過剰摂取で亡くなっていますから。

でも、共依存という観点から考えると、シドにとっては、自らの死よりも、ナンシーの存在
しないこの世の中のほうが恐怖だっただろうと想像出来ますから、映画のラスト・シーン
は、そんな二人の関係を見事に象徴していると思います。

共依存とは、人間関係に対する過剰な依存状態を指します。
共依存症者は自己愛や自尊心に欠けるため自己評価が低く、相手から依存されることに
自己の存在価値を見出し、共依存関係を続けてしまう傾向があるようです。機能不全家族
などで育った人が共依存関係を形成しやすいとも言われているようです。また、共依存に
は、他の依存症(薬物やアルコール、ギャンブルなど)が絡んでいることも珍しくありません。

(ある障害が原因で、)ナンシーはとても気性が激しく、家族の厄介者だったようです。
また、シドは殆ど父親の愛情を知らずに育ち、母親は麻薬常習者だったそうです。

よくシドの麻薬中毒についてナンシーが悪く言われることがありますが、私は、広い意味
で、ナンシーよりも、シドの母親の影響のほうが大きいと思います。
子供に自己の存在価値を教えるのは、親の大事な役目だと思います。ところが、驚くこと
に、シドの母親は、自らシドに注射器や麻薬を与えていたそうです。この行為は、「あなた
が麻薬中毒になっても構わないわ。」という母から子へのメッセージになってしまった可能
性もあると思います。親からこんな扱いを受けて、シドに自尊心が育つ訳がありません。

また、当時ナンシーの抱える問題はかなり深刻だったようです。本来ならば親が対処すべ
きもので、おそらく、シドには荷が重過ぎだったと思います。結局のところ、共倒れです。
しかし、それでも関係を解消出来ないのが共依存なのだろうと思います。

シドが亡くなったのが21歳、ナンシーが亡くなったのが20歳。まだまだ子供です。
私が20歳の頃は、まだ学生で、親のすねかじりでした。
麻薬常習者を肯定するつもりはないですが、ある意味、シドもナンシーも気の毒な存在に
思えてしまいます。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。