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過敏性腸症候群とストレス [病・医療]

私がまだ二十代の頃、大学のカウンセリングセンターで、カウンセラー兼教授の助手をして
いたことがあります。
当時カウンセリングを受けに来ていた学生さんの中には、カウンセラーとの相性がよくなくて
直接私を訪ねて来る方もいたので、カウンセリングではなく、雑談しながら相談に乗ることも
ありました。

そんな学生さんの中に、特に記憶に残っているケースがあります。
授業に出ようとすると必ずお腹が痛くなる症状が出て、本人がとても困っていました。
過敏性腸症候群と診断されていましたが、薬の効果も無く、成績も落ちてきていました。
ポイントは、本人が怠けていた訳ではなく、授業に出る意思があるにも拘らず、興味のある
講義も受けることが出来ずにいたことです。

そんな彼女が、ある日、酷く下がってしまった成績表を持って、泣きながら私を訪ねて来ました。
成績表を見せて貰って、国際関係の科目の受講が目立つことに気がつき、そのことについて
彼女に尋ねてみました。すると、将来、仕事かボランティアでアフリカに行きたいと思っている
けれど、母子家庭で育った彼女は、母親に申し訳なくて言い出せずにいることが分かりました。
そこで、将来について母親とよく話し合うことを勧めたところ、翌日、早速彼女は実家に帰り、
親戚の後押しもあり、ボランティアではなく正式な仕事でなら、卒業後2年間だけアフリカ行き
を許して貰えることになりました。
それ以来、過敏性腸症候群の症状は出なくなり、問題なく授業にも出席出来るようになりました。

母親思いの優しい彼女は、自分の欲求のままに邁進することが出来ず、かといって夢を諦める
ことも出来ずに、大きなストレスを抱えていたのだろうと思います。(母親に対する罪悪感が、
自分の夢に繋がる講義の受講を妨げていたのではないかと思います。)
話に聞いたことはありましたが、精神的なストレスが身体的な症状を引き起こすことを目の当たり
にして、当時の私はとても驚きました。

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